アパレルブランドの立ち上げ方|Tシャツ1枚の試作から始める費用と販売手順

Tシャツ1枚の試作からブランド販売を準備するイメージ

自分のデザインをTシャツにして売りたい。その第一歩は、大量に商品を作ることではありません。「誰に、どんな一枚を届けるか」を決め、実物を試作して、販売価格と届け方を確かめることです。

俺流工房では、既製のTシャツにプリントやオリジナルタグを組み合わせて、1枚から製作できます。条件が合えば、片面プリント・タグ付きの試作1枚を、送料込み1,850円(税込)で作る計算になります。これは試作品の製作・配送費の例です。ショップ開設や撮影、広告なども含めた事業全体の開業費ではありません。

ここでは、既製ボディを使うTシャツブランドを想定し、試作から初回販売、追加注文までの進め方を説明します。

目次

1. 「誰が、どこで着るか」まで決める

最初に決めたいのは、ブランド名だけではありません。買う人と着る場面が見えると、絵柄、生地、サイズ、価格を選びやすくなります。

たとえば「休日にゆったり着たい人へ、胸に小さなイラストを入れたTシャツを届ける」なら、シルエットと着心地が選定の軸になります。「イベントの記念に買い、その後も普段着にしてほしい」なら、開催日から逆算した準備と、日常でも着やすいデザインが必要です。

企画メモは、次の4項目からで構いません。

  • 買ってほしい人と、着てほしい場面
  • 最初に売るデザインと、その一枚を選ぶ理由
  • 希望する販売価格と、試作に使える予算
  • 販売する場所と、購入者へ届けたい時期

初回から色やデザインを広げすぎると、何に反応があったか分かりにくくなります。まず主役の一型を決め、必要なサイズを検討しましょう。

2. 既製ボディへの加工を前提に商品を決める

俺流工房の1枚からのアパレル製作は、国内で仕入れられる既製ボディへプリント・刺繍・タグ等を加える方法です。United Athle、Printstar・glimmerを中心に、GILDAN、wundou、BONMAXなどの取扱いを確認できます。

洋服の型紙作成、生地からの縫製、袖丈・着丈・身幅の変更、ポケット後付けには対応していません。独自のシルエットを縫製する方法ではなく、既製品の寸法表を比較し、ブランドの方向性に近いボディを選びます。

持ち込み加工も可能ですが、大幅に安くならない場合があります。補償条件は受付前に確認します。商品候補は商品一覧・卸価格、対応範囲は小ロットOEMをご覧ください。

3. まず1枚を試作し、必要な費用を分けて把握する

試作品は、販売する予定のボディ・色・デザインで作るのが基本です。タグを商品の特徴にしたい場合は、試作の段階から付けて、肌当たりや位置も見ておきます。

次は、ユナイテッドアスレ5001-01または5900-01に、片面DTFプリントとオリジナルタグを付け、自分の手元へ1枚取り寄せる場合の参考計算です。

内訳金額(税込)
Tシャツ本体+片面DTFプリント1,200円
オリジナルタグ作成・縫製300円
メール便送料350円
合計1,850円

メール便はTシャツ2枚まで、梱包後の厚さが3cm以内の場合に利用できます。条件外は通常便900円となるため、この試作例の合計は2,400円です。追加印刷、特殊なタグ仕様、個別包装などを希望する場合は、その内容も含めて事前に見積りを確認してください。

価格や配送条件の詳細は料金ページ、タグの仕様や取り付け位置を決める際はオリジナルタグの作成・縫い付けをご覧ください。

試作費のほかに、デザインを外注する費用、撮影費、販売サービスの利用料、販促費などを別枠で書き出します。「製品を1枚作る費用」と「販売を続ける費用」を分けると、予算の使い道を判断しやすくなります。

Tシャツの商品撮影、価格検討、梱包を準備するイメージ
試作品は着用感と洗濯後の変化を確認し、販売用の商品写真にも活用します。

4. 試作品は、着て・洗って・撮って確かめる

届いた試作品を机の上で見るだけでは、販売時に伝える情報が足りません。実際に着用し、商品に適した取り扱い方法で洗濯したうえで、次の点を確認します。

  • 着用感: 丈、身幅、首回り、透け方が想定した用途に合うか
  • プリント: 実物の色、位置、大きさ、表面の感触に納得できるか
  • タグ: 文字の読みやすさ、取り付け位置、肌に触れたときの違和感はないか
  • 洗濯後: 寸法や生地、プリントにどのような変化があるか

気になる点は、品番・サイズと写真を添えて相談します。修正した場合は、採用したデータと仕様を残し、前の版と取り違えないようにしてください。

商品ページには、正面の全体写真に加えて、プリントやタグの寄り、着用写真を用意します。着用者の身長と着用サイズも記載すると、お客様が選ぶ助けになります。完成イメージだけで販売する前に、実物で説明できる状態を作りましょう。

Tシャツの商品撮影、価格検討、梱包を準備するイメージ
※掲載画像は、仕上がりや工程を説明するためのイメージです。

5. 販売価格は、製作費を引くだけで決めない

販売価格から製作費だけを引いた金額が、そのまま手元に残るわけではありません。販売・決済手数料、送料、発送の作業費など、注文が入るたびにかかる費用を先に計算します。

以下は、タグ付きTシャツを税込3,500円・送料込みで販売し、CSV受注データを使って俺流工房から購入者へ1枚直送する仮定の計算例です。販売・決済手数料は合計6%と仮定し、特定の販売サービスの料金を示すものではありません。

項目1注文あたりの金額
販売代金(税込・送料込み)3,500円
本体+片面DTFプリント+タグ−1,500円
販売・決済手数料(仮定:6%)−210円
メール便送料(条件内)−350円
個別発送手数料−100円
上記費用を引いた残額1,340円

この1,340円から、試作、撮影、広告、ショップの固定費、返品・値引きへの対応なども負担します。税務上の利益を算出したものでも、利益を保証するものでもありません。通常便を使う場合や、追加加工がある場合も計算を変える必要があります。

個別発送手数料100円(税込)は、CSVで購入者へ直送する際の1配送先あたりの料金で、送料とは別です。自分で発送するなら、自宅へ取り寄せる送料に加え、購入者への送料と梱包資材、作業時間を見込んでください。費用の整理は小ロットOEMの利益モデルも参考になります。

6. 受注生産か、少量の在庫を持つかを選ぶ

初回の売り方は、商品代だけでなく、お客様が待てる期間と自分の運営時間から決めます。

販売方法進め方先に決めておくこと
受注生産注文を受けてから製作する注文受付期間、製作・発送の案内、ボディ欠品時の対応
少量在庫必要な枚数を作り、手元から販売・発送するサイズ別数量、保管場所、発送担当、売れ残った場合の扱い

受注生産は、完成品の在庫を抑えやすい方法ですが、販売時点で材料やボディを確保できるとは限りません。注文が入る前に、採用品番・カラー・サイズの在庫と追加製作の条件を確認し、お客様に伝える発送目安を決めましょう。

イベントでその場で渡したい場合は、少量在庫が候補になります。初回数量は「安くなる枚数」だけで決めず、予約状況や販売機会、自分が負担できる金額から考えます。製作から追加注文までの流れは1枚から始める小ロットOEMで確認できます。

7. 少量販売の結果を、次の注文に生かす

試作と費用の確認が済んだら、実物写真、寸法表、素材、配送条件をそろえて販売を始めます。サイズの選び方や発送予定が分かる商品ページにすると、購入前の迷いを減らせます。

販売後は、注文数だけでなく「どの色・サイズが選ばれたか」「どの写真や投稿から見に来たか」「購入前に何を質問されたか」を記録しましょう。売れなかった場合も、見てもらえていないのか、サイズや価格で迷われたのかによって、次の改善は変わります。

追加注文のために残しておきたいのは、ボディのメーカーと品番、色番号、サイズ、採用デザイン、加工寸法・位置、タグ仕様です。同じ商品の再注文か、仕様を変更した新商品かを明確にすると、確認の行き違いを減らせます。

最初の一枚を決めきれていなくても、「こんな人に売りたい」「このくらいの価格で販売したい」という段階からご相談いただけます。予算、希望する商品、タグの有無、販売予定時期を添えて、Tシャツブランドの試作・見積りを相談するへお送りください。

ブランド立ち上げでよくあるご質問

個人でも1枚から試作できますか?

既製ボディへのプリントやタグ加工は、1枚からご相談いただけます。試作は有料です。ボディの品番、加工内容、希望日が決まっていれば、見積りの際にお知らせください。

1,850円があれば開業できますか?

1,850円は、このページで示した仕様とメール便の条件を満たす試作品1枚の参考額です。開業費の総額ではありません。撮影や販売サービス、販促など、自分の販売方法に必要な費用も別に整理してください。

注文を受けてから作る場合、いつ発送できると案内すればよいですか?

採用品番の在庫、加工内容、数量、注文受付の方法によって変わります。販売を始める前に製作・配送の日程を相談し、欠品時の対応も含めて購入者への案内を決めます。

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この記事を書いた人

オリジナル語録Tシャツブランド「俺流総本家」を、1枚から年間10万枚規模まで育てた家元。商品企画、EC販売、受注生産、在庫リスクを抑えた小ロットOEMの実務経験をもとに、ブランド立ち上げから商品展開、製造・発送までを支援しています。

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